人材開発
本物のスキルとは…全てを失うとわかる
2026/3/30
スキルとは何か。
色々な定義がありますが、今から12年ほど前に清水さんという大変お世話になったコンサルタントから教わった言葉が今でも強烈に突き刺さっており、自身の中で最も大切なバイブルとなっています。
仕事終わりの中央線での帰り道、清水さんが突然クイズを出してきました。
【クイズです。第二次世界大戦中、迫害を受けたユダヤ人が唯一持ち込んだもの(他人が奪えなかったこと)はなーんだ?】
30秒私が回答に困っていると。
【正解はこの中(指で頭を指す)。君にはまだわからないと思うけど、全てを失った時に残るものが本物のスキルだよ(まあそれは頭の中にあるよね※指で頭を指す)】

今でもはっきり覚えていますが、清水さんはとても愉快で声が大きい方なので、このやり取りを聞いて車内の人がみんなしてこちらを見ていて恥ずかしかったことを覚えています。
でも、私にとってはものすごく意味があり、大切な問いかけでございました。
当時は、いい話だな〜(じーん泣)と思いながらも、どこか心の中で「他人事だな〜(少し遠い話だな~)」と捉えていました。
というのも、当時は色んなものに守られながらサラリーマンをやっていたので、【すべてを失う!】という経験は感じることがありませんでした。
しかし、その後、自分もお先真っ暗な経験を2つ乗り越え、清水さんの教えが、私の何を指していたのか明確に理解できました。

ストーリー①
責任者着任&コロナ禍 全てを失いかける
中でも印象的だったのは、ちょうど世界中でコロナが流行った時、人材開発を得意としている私は会社からこの任務を拝命し、邁進していたのですが、自身の価値を何も発揮できず全てを失いかけました。
というのも、インストラクショナルデザインを学んだ身としては、
研修は集合で行うことが絶対!面談は対面での実施が絶対!採用は対面が絶対!オンラインはあり得ない!
と思っておりまして、コロナ禍に突入するよりもはるか前に当時開発され始めていた「eラーニング」や「オンライン」に関する学びは【効果がない!意味がない!】と拒否、拒絶していました。
コロナ禍になる前から、同僚・勉強会などで様々な方がオンラインツールや使い方を案内をしてくれましたが、当時は見向きも触れもしなかったです。
しかし、突然コロナが起こると私はパニックになりました。
対面によるコミュニケーションは一気に閉じられ、私が持っていた集合研修や面接・面談のスキルを1ミリも活かすことができませんでした。
オンラインの研修のノウハウを持っていなかったため、当時の私は何も対応ができず、ただただ無価値の人材そのものでした。ただの人材→人在(罪)ですね。
もっというとコロナが深刻になるにつれ、オンライン研修も実施するか否かくらいでほぼ何もなくなりました。
今、思い返しても、あの時は人生最大の危機だったと思います。
私にはカメラを見ながら話す!という経験もなければ、オンラインツールもろくに扱えず、無価値そのもの、本当に真っ白になりました。
ですが当時の上司が私を救ってくれました。次々と役割変更(バックオフィスからフィール後職への職種転換)が起きる中、挑戦の機会としてオンラインでの研修機会を与えてくれたのです。
私は慌ててオンラインの研修のやり方を学び直し、ギリギリでオンライン研修対応したのをよく覚えております。会社側も上司も、よくそんなオンラインがド素人の私を見てリリースをしなかったなと、今では本当に本当に感謝しています。
実はこの経験はとても良い教訓になりました。
【得た教訓】何が起こるかわからないからこそ、予めそういった力は身につけておくべきだ!
ストーリー②
これまでの安定した生活が続けられない
これは、直近ですが家庭の事情でサラリーマンを辞めざるを得なかった時、何かの行動を起こさない限り、目の前から安定という二文字を完全に失いました。
20年間サラリーマンとして安定を過ごしてきた私が、実際にそうでない立場になったときに感じた「不安」は強烈なものでした。しかし、その時に、全てを失いかけたコロナ禍当時のことを思い出しました。
【今自分にできることは何だろうか…】
実際には稼働時間が限られている中でも、営業や人事などの責任者を経験し、さらにインストラクショナルデザインも習得している私には、コロナ禍のとは異なり、ポータブルなスキルだけはきちんと残っておりました。
全てを失っても私に残ったスキルは、人事や現場に必要な育成施策を丁寧に企画しありとあらゆる手法で、効果が出るまで実行できることでした。
【得た教訓】目の前のことを懸命に努力すれば、それが今後勝負していく原動力になる。
この2つの経験から私の仕事への在り方に2つの変化が起きました。
①何事にも肯定的関心を持って全力で取り組んでみること
どんなことも一度は受け入れていくこと。仮に関心なし!興味なし!となった場合も、それにトライしてから取捨選択するべきかなと思いました。当時、私に抵抗があったオンラインもいざやってみれば、今ではとても快適に研修ができますし、オンラインのメリットもたくさんあることが気づきました。今では大手予備校みたいにハイブリットで集合とオンラインを同時にやったりしていますw
②本当に社会やお客様から必要とされているものに応えていくこと
◯◯!が欲しい!と言われているのに、△△の方がもっと良いです!と違うものを提供したらニーズに応えたとは言い難いです。これはコンサルタント時代に大変よく学びました。どんなに△△が良いものだとしても、むしろ相手の時間を無駄したと思われてしまいます。
特に後者は自分がいくら大切にしているスキルがあったとしても、相手からそれを求められていなければビジネスにおいては全くの無価値であるということを理解する必要があります。
当然ながら、ビジネスの正解は相手が決めますし、その価値に見合った報酬を決めるのも相手であります。
以上を整理すると
持論ですが、究極のスキルって何?というと、
︎①全てを失ってもきちんと自分の中に残っているもので
②さらに、それが興味関心・又は興味関心に変化していくものであり、
③さらに、それが世の中に必要とされているものであり、
④相手の満足度だけではなく、きちんとした自身の生活の支えになるもの
この4点になります。
こうやってこの4点を並べると、実はある話と非常に似ているなと思いました。
ikigaiチャートというものです。※詳しくは調べてみてください。
人に何かを教えたり指導する前に、自分には何のスキルがあるのかを分析してみるのもとても大切な考えだと思います。
ぜひ参考にしてみて下さい。